障害年金について
初診日について
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平成12年頃に一度だけ精神科Aを受診しました。その後は通院せず、平成19年頃よりうつ病のため精神科Bに通院を始めました。このような場合、いつが初診日になるのでしょうか?
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原則、初診日は初めて精神科Aを受診した平成12年となりますが、精神科Bを受診されるまでの経緯やB病院の初診時の状況等により対応が変わります。社会的治癒を主張して平成19年を初診日と主張することもできます。この場合、受診状況等証明書は平成12年、平成19年の2枚必要となりますので注意してください。
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カルテがなく初診日の証明がとれません。請求をあきらめた方がいいのでしょうか…
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初診日を受診状況等証明書により証明できない場合は、当時の受診状況を客観的に証明できる資料や第三者証明を提出することで認められることがあります。
最後まで諦めずに過去にその病院を受診したという診察券やお薬手帳、レシート、紹介状の有無を確認してください。詳しくはこちらをご参照ください。
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初診の病院が海外にあるような場合でも初診日の証明は必要となりますか?
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初診病院が海外の場合であっても初診日の証明すなわち受診状況等証明書は必要となります。海外の病院に受診状況等証明書を書いてもらう場合は、和訳文の添付が必要です。詳しくはこちらを参照ください。
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受診状況等証明書を病院に書いてもらうには、費用はどのくらいかかりますか?
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病院によって異なりますが、大体3,000円〜5,000円がほとんどです。病院によっては10,000円ほどかかるところもあります。詳細は医療機関にご確認ください。
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社会不安性障害で治療を受け、治療をしてきましたが、転院後、統合失調症と診断されました。このような場合、初診日は社会不安性障害ではじめて病院を受診した日なのか、統合失調症との診断を受けた病院にはじめてかかった日になるのか、どちらでしょうか?
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社会不安性障害ではじめて病院にかかった日となります。
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うつ病で治療を続けてきましたが、あとから発達障害との診断を受けました。このような場合、初診日はうつ病ではじめて病院にかかった日なのでしょうか?それとも発達障害の診断を受けた日なのでしょうか?
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うつ病ではじめて病院を受診した日が初診日となります。
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繊維筋痛症で治療を続けてきました。治療の結果、軽快しましたが、その半年後に再び腰痛がひどくなり、さらに、その翌月頃からうつの症状を自覚したため、精神科を紹介され精神科治療を開始しました。精神の障害で障害年金を請求する場合、やはり精神科受診日が初診日となりますか?
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医学的相当因果関係が認められれば、当該繊維筋痛症で病院にはじめてかかった日が初診日となることもありますが、因果関係のない別傷病とされた場合、精神科受診日が初診日となることも考えられます。
診査する医師や、提出する診断書の内容により精神科受診日を初診日として提出しても後から繊維筋痛症で受診した病院から受診状況等証明書を提出しなければならないこともあります。
保険料納付要件について
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保険料納付要件を満たす事ができません。過去の未納分を追納すれば年金は請求できますか?
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未納分の追納により、保険料納付要件を満たすことは出来ません。すなわち、初診日以後に保険料の追納や免除申請をしても初診日前の保険料については未納扱いとなり、障害年金を請求する上での保険料納付要件を満たすことはできません。
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夫の厚生年金の扶養として専業主婦をしていた時期に初診日があります。私は障害厚生年金を請求できるのでしょうか?
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障害基礎年金の請求となります。
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生活保護を受けており、年金が全額免除されている場合、年金は請求できるのでしょうか?
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初診日が属する月の前々月までの1年間、あるいは、20歳以降初診日が属する月の前々月までの全期間を通して2/3以上の年金を納付(保険料納付済期間と保険料免除期間)していれば保険料納付要件を満たし、障害年金を請求することができます。
保険料納付確認対象期間の全期間、保険料を免除されていた場合は問題ありませんが、当該確認対象期間の途中から保険料を免除されたような場合は、通常どおり、保険料を納付していたかどうかで判断されます。
障害認定日について
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障害認定日の診断書がとれないときは認定日請求は出来ませんか?
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認定日請求を行うには、原則、診断書が必要です。障害認定日から3か月以内の診断書を書いてもらえない場合ですが、最も近い日付(障害認定日から1年以内)の診断書で認定された事例もあります。ただし、必ず認定されるわけではありませんのでご注意ください。身体障害等の場合は、当時の障害状態を客観的に証明できる資料等の提出により認定される場合もあります。
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障害認定日の診断名は社会不安性障害(神経症)ですが、現在は統合失調症と診断されています。私は遡って障害年金を請求することはできますか?
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基本的に、障害認定日時は神経症ですので障害認定の対象とは原則としてなりませんが、当事務所の過去の事例には遡って統合失調症と認定された事例があります。
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障害認定日当時の医師がいないため診断書は書けないと言われました。なんとか病院に書いてもらうことはできないのでしょうか?
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基本的に、「医師は自ら診察をせずに診断書を書いてはならない」と医師法に規定されていますので、医師が拒絶するのも無理はありません。
ただ、当時の医師でなくても、代わりの医師がカルテをもとに診断書を作成し認定された事例もありますのでなんとか医師に書いてもらうようにお願いするか、当時の医師を探すなどの対応をとられるのがいいでしょう。
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障害認定日(平成13年6月)はそこまで状態は悪くなかったのですが、その後、平成21年頃から病状が悪化し、外出もできないほどになりました。平成25年現在も軽快と悪化を繰り返しており、体調が悪いときは外出も身の回りの事もできません。平成21年まで遡って障害年金を請求することはできるのでしょうか?
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障害年金は、障害認定日か請求日現在(事後重症)のいずれかでしか認定されることはありません。
認定基準について
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神経症(パニック障害・摂食障害・社会不安性障害・適応障害)では障害年金を受給することはできませんか?
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基本的に、診断書に神経症の病名が書かれているとあっさり不支給となることが多いようです。ただ、認定日が神経症、現在は精神病というようなケースで遡って認定された事例はありますし、精神病病態を有しているような場合は認定されることもあります。診断書を書いてもらう際には注意が必要です。
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人格障害(境界性人格障害・情緒不安定性人格障害)では障害年金を受給することはできませんか?
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人格障害も神経症と同様に請求しても不支給となってしまいます。当事務所が取り扱った案件の中には、情緒不安定性人格障害で認定日請求が認められたケース、境界性人格障害で事後重症請求が認められた事例があります。ただ、人格障害(パーソナリティ障害)単独での請求は非常に難しいです。
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働きながら、又は、会社に在籍(休職)中でも障害年金を受給できますか?労働に制限とはどの程度の制限をいうのでしょうか?
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働きながらとのことですが、一般就労や障碍者就労が考えられます。基本的に障害者就労であれば認定される可能性も十分あると思われます。就労移行支援、就労支援A型・B型等、どの就労形態なのかも審査の際に参考とされます。一般就労でも職場での配慮や援助状況によっては認定される場合もありますが職場に協力者がいない限りは証明が困難になります。休職中の場合は、休職期間や退職予定、初診から休職現在に至るまでの病歴経過などによると思われます。
リワークなどのリハビリ勤務でさえ、働く意欲があることを理由に認められなかったという全く慈悲のかけらもない事例も過去にはあります。
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日常生活に著しい制限が生じている状態とはどういう状態をいうのでしょうか?
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精神機能の低下(精神障害)により、能力障害および生活障害を生じているような状態をいいます。
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一人暮らしは障害年金請求に不利なのでしょうか?
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一人暮らしを理由に障害年金不支給決定を受けた方は結構おられます。しかし、一人暮らしを理由に障害年金を支給しないという根拠はどこにもありません。
審査請求も視野にいれ、出来ればはじめから専門家のサポートを受けるようにしましょう。
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違法薬物使用により精神疾患を発症しました。私は障害年金を受給できますか?
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違法薬物使用による障害年金請求は出来ません。
診断書について
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診断書を書いてもらう医師で認定に差は出るのでしょうか?
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診断書を書いてもらう医師で認定に差が生じます。理由としては、医師があなたのどの症状に着目するかや、診断する時期によって診断名が変わるためということと、普段の診療によりあなたの病状や日常生活状況をどの程度把握しているかで認定に差が生じてしまいます。
カルテや看護記録に日常生活能力(ADL)についてしっかり記録されていることもありますが、そうでない場合、医師の勝手な想像で診断書を作成されることもあります。
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医師に診断書を書いてほしいとお願いしたところ、「あなたの病状では障害年金は受給できない」と言われました。障害年金請求はあきらめるべきでしょうか?
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あなたが障害年金を受給できるかどうかは医師が判断することではありません。しかし、無理矢理診断書を書いてもらったとしてもあなたの病状がまったく反映されていない診断書を作成されてしまうことも多々あります。医師が診断書を書いてくれない場合については、こちらを参照ください。
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病院にカルテがありません。医師の記憶で診断書を書いてもらうことは可能ですか?
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医師の記憶による診断書の作成は認められていません。
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通院歴が浅いのですが診断書は書いてもらえるのでしょうか?
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通院を開始して間もない場合、医師はあなたの病状を把握できないとの理由で断れることも少なくありません。病院によりますので医師に確認するようにしましょう。前医からの紹介状がある場合は、初めて受診される際に診断書を書いてもらえるか、どの位通院すれば診断書を書いてもらえるか話しをしましょう。
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10年前に一度障害年金を請求しようとして医師に診断書を書いてもらっていましたが、両親の猛反対を受け提出しませんでした。両親が亡くなった今、改めて障害年金を請求したいのですが、当時の病院は既に廃院しており新たに診断書を書いてもらうことができません。当時の旧様式の診断書を提出することはできますか?
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旧様式の診断書も提出可能です。
請求について
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障害年金を請求してから認定が下りるまでの期間は大体どのくらいなのでしょうか?
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統合失調症の場合、大体2か月程度で結果が出る事が多いように思います。うつ病やその他傷病の場合、大体3~4か月ほどかかります。調査が必要な場合はそれ以上かかることもあります。
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既に事後重症で障害年金を受給しています。遡及請求ができることを知りませんでした。今からでも遡及請求できるのでしょうか?
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事後重症で認定された後であっても、後から遡及請求を行うことは可能です。
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一度障害認定されると一生障害年金は受給できるのでしょうか?
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障害認定は、永久認定と有期認定とがあります。知的障害などを除き、精神障害で永久認定されることはほとんどありません。
年金の加算について
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養子縁組をしていない夫の連れ子がいます。年金の加算はありますか?
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養子縁組をしていない連れ子は、年金の加算対象とはなりません。きちんと養子縁組をしましょう。
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内縁関係の夫がいます。年金の加算はありますか?
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内縁関係の夫と、生計を同じくしている場合は、年金加算対象となります。
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離婚した妻と現在も同居しています。年金の加算はありますか?
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離婚の届出がなされ、戸籍簿上も離婚の処理がなされているにもかかわらず、その後も事実上婚姻関係と同様の事情にある者の取り扱いについては、当事者間に、社会通念上、夫婦としての共同生活を成立させようという合意および事実関係が認められれば、事実婚関係にある者として認められ、配偶者加算を受けることが出来ます。
年金の支給について
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障害年金の支給月、支給日を教えてください。
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年金は偶数月の15日に前2ヶ月分が振り込まれます。
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遡及分はいつ振り込まれますか?
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年金証書が届いてから大体50日後が属する月の15日に一括で支払われます。
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障害年金の入金先を母、もしくは配偶者の口座にしたい
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年金を母親などが代理で受け取る事は出来ません。
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受給後の所得制限ってあるのですか?
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20歳前障害の場合は所得制限があります。20歳より後の場合であっても、実質働けるような状態であればほとんどの場合、年金が停止されるか、降級となります。
認定後の年金・国保加入・税金について
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認定日に遡及して認定された場合、既に納付済の国民年金保険料は還付されますか?
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還付の申出を行うことで既に納付した保険料は還付を受けることができます。
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障害年金をもらうと老齢年金が減るのでしょうか?
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障害年金を受給することによる老齢年金の減額はありません。
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2級から3級に等級が下がった場合、直ちに保険料を支払わなくてはならないのですか?
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免除(半額免除、4分の3免除)の申出を行うことができます。
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障害年金に税金はかかりますか?
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障害年金は非課税です。また、所得税法上の被扶養者がいる場合は、年末調整や確定申告で特別控除を受けられる場合があります。
その他の給付との併給について
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雇用保険の失業給付と障害年金は両方もらえるのですか?
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失業給付と障害年金はそもそも支給目的が異なりますので併給はできません。
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生活保護を受けてますが、障害年金を請求できますか?
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生活保護の申請をする際、障害年金の受給を進められるということは近年よくある話です。生活保護と障害年金を併給することは可能ですが、障害年金は収入扱いとなるため、生活保護費を満額もらえるわけではありません。ただ、障碍者加算がつきますので、生活保護の額が増える場合があります。当事務所では回答致しかねますので詳しくは福祉事務所にご確認ください。
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傷病手当金をもらっている方の障害年金
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傷病手当金と障害年金の併給は出来ません。傷病手当金受給期間中に障害年金を受給すると、当該年金額相当分は傷病手当金の支給母体である全国健康保険協会あるいは健康保険組合に返還が必要となります。
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障害年金と児童扶養手当
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障害年金の子の加算と児童扶養手当を併給することは出来ません。
額改定請求について
認定日請求の際の額改定請求
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障害認定日当時は3級程度の障害状態でしたが、現在は2級の障害状態に相当すると考えています。このような場合に障害認定日(3級)、現在の等級(2級)と認定してもらうにはどうしたらいいですか?
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認定日請求をされる際、すなわち初めて申請をされる際に額改定請求を併せて行うか、認定された後に額改定請求を行う必要があります。尚、認定日請求の際に額改定請求を行っていなかった場合、認定日(3級)、現在(3級)と認定された際に、現在の等級に関する不服申し立てを行うことが出来ません。
額改定請求ができる時期
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障害状態が悪化した為、障害等級の変更をしたいのですが、いつでも変更の申出ができるのでしょうか?
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はじめて裁定請求を行ってから1年を経過していない間は額改定請求を申し出ることが出来ません。また、更新により等級変更となった場合も同様です。
ただし、前回更新で等級変更がなかったような場合はいつでも額改定の申出を行うことが可能です。級落ちした場合 診査を受けた日から1年を経過した日以後に改定の請求が可能。 等級に変更がない場合 時期の制限はなく、障害の程度が施行令別表に該当したときに請求可能。 不支給(施行令別表非該当)の場合 時期の制限はなく、障害の程度が施行令別表に該当したときに支給再開を求めることが可能。
更新について
等級変更
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更新の診断書提出により上位等級に認定される場合はありますか?
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更新の診断書を提出することで上位等級に認定される場合もありますが、殆どの場合、従前の等級を引き継ぐ場合が多いのでできれば等級変更の申し立てを併せて行う必要があります。
支給停止
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更新の診断書を提出したら、年金が停止されました。どうしたらいいですか?
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病状が改善しておらず、病状のため日常生活や労働に制限が生じているような場合は不服申し立てを行いましょう。不服申し立ては当該通知があったことを知った日から3か月以内に行う必要があります。支給停止事由消滅届の提出によっても支給再開を求めることはできますが、よほどの悪化でない限りほとんど認められることはありません。
不服申し立てについて
不利益変更
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厚生労働大臣より3級に認定するとの通知を受けました。不服申し立てをしたいと考えていますが、不服申し立てにより3級認定も取り消されますか?
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不利益変更の禁止により、一度認定された3級認定は取り消されることはありません。
不服申し立てにかかる審査期間について
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不服申し立てをしたのですが、結果はどのくらいで分かりますか?
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不服申し立ては大体3〜4ヶ月ほどの期間がかかります。