統合失調症で等級非該当。審査請求で3級へ。
最終更新日:2018年8月25日
障害年金を申請するも、3級にも該当しないとされたケースです。審査請求により障害厚生年金3級に認定されました。
概要
- 障害種別
- 精神の障害
- 病 名
- 統合失調症
- 都道府県
- 東京都
- 認定等級
- 障害厚生年金3級
- 請求方法
- 事後重症
- 特記事項
- 過去に一度請求している
病歴・経緯・相談内容
当事務所にご依頼されるまでの経緯
平成20年2月に発症。通院服薬治療を行うも、仕事が長続きせず7社を転々とする。
平成25年頃、錯乱状態に陥って病院に運ばれて以来、世の中や人生が真っ暗に見えるようになり、太陽が燃え尽きてなくなってしまったような気分になり、次第に自分自身が存在していることそのものが苦痛になる。
頭が働かず、ものを考えることが出来なくなり、自分自身が存在していることだけはわかるが、全く思考力が働かず、離人感も強く、毎日同じように過ぎていく毎日が憂鬱でした。自己嫌悪感が強くなっては「死にたい」と口にすることも多くなり、ほぼ毎日、部屋にこもりきっては、一日中ずっと座って一点を見つめているような状態でした。
平成28年3月、障害年金のことを知り、請求するも3級にすら該当しないとして障害年金を受けることが出来ず。「なんとか障害年金を受けられるようにして欲しい」ということで当事務所にご相談いただきました。
不支給となった診断書の内容
障害の原因となった傷病名:統合失調症
現在の病状または状態像
思考・運動静止、自閉、感情の平板化、意欲の減退とされ、その他の症状として、「強迫観念に支配され、日常生活が大きく障害されている。仕事や入浴しようとすると、「するな」という強迫観念が出てきて出来ない。終日臥床。」
日常生活能力の判定
適切な食事:自発的かつ適正に行うことは出来ないが助言や指導があればできる
身体の清潔保持:助言や指導をしても出来ないもしくは行わない
金銭管理と買い物:自発的かつ適正に行うことは出来ないが助言や指導があればできる
通院と服薬:助言や指導をしても出来ないもしくは行わない
他人との意志伝達及び対人関係:概ねできるが時には助言や指導を必要とする
身辺の安全保持及び危機対応:助言や指導をしても出来ないもしくは行わない
社会性:助言や指導をしても出来ないもしくは行わない日常生活能力の程度
(3)精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
現症時の日常生活活動能力及び労働能力
家族の支援により日常生活を送っている。終日臥床しており、就労は困難と考える。
予後
不詳
目安としての意味を果たさないガイドライン
精神の障害に係る等級判定ガイドラインには、障害状態を総合評価する際には、「統合失調症については、療養及び症状の経過(発病時からの状況、最近1年間程度の症状の変動状況)や予後の見通しを考慮する。」「統合失調症については、妄想・幻覚などの異常体験や、自閉・感情の平板化、意欲の減退などの陰性症状(残遺症状)の有無を考慮する。」「陰性症状が長期間持続し、自己管理能力や社会的役割遂行能力に著しい制限が認められれば、1級または2級の可能性を検討する。」とされています。
本件相談者の状態は明らかに1級あるいは2級の可能性を検討されなければならない状態であるにも関わらず、それらが一切考慮されることもなく、3級にすら該当しないとして不支給処分を受けています。
ガイドラインは目的を果たしているのか?
精神・知的障害に係る障害年金の等級認定については、かねてより、その認定基準の曖昧さから「本来支給対象になるべき人が受給できない」という不合理な不支給事案が散見されてきた。
障害等級ガイドラインは、このような事態を防止するために施行されたにも関わらず、目安としての役割を果たすことができていない。結局、障害年金が支給するかどうかは「一人の医師(認定医)」であり、ガイドラインは単なる目安にすぎない。保険者の裁量幅が広く、ガイドラインはもはや目安としての信頼性がまるでない。
平成29年現在、このような不支給事案がまだまだ多く見受けられます。本件相談者以外にも「障害年金を請求してみたけど、支給されなかった」という方が数多くおられるのではないかと思われます。

4年ほど前から働くことができなくなり、無収入の状態となってしまい、妻をはじめ、周りの方々には重い負担をかけ続けてきました。なんとかこの状態から抜け出したいと思い請求してみた障害年金でしたが、届いたのは障害年金ではなく、障害年金を支給しないとする処分決定通知でした。私のような者には障害年金は支給されないのか、もっと重度の方にしか支給されないのが障害年金なのかと諦めかけていた時、日野先生のホームページを拝見し、審査請求をやってみようと思いました。
今回、障害年金が支給されることとなり、日野先生をはじめ、事務所の方々には心から感謝しております。わずかでも障害年金を得られるというのは、療養生活を続けている者にとって非常に心強いもので、それがあるのとないのとでは心のあり方が変わってきます。いつも不安でした。「この先どうしたらいいのだろうか」「もはや妻とは離婚した方がいいのではないか」そんなところまで追い詰められていました。
今回のことで、これからの生活を少し前向きに考えることができるようになりました。これも全て日野先生のおかげです。また、次回の更新時にお世話になるかもしれません。その際はよろしくお願いいたします。
受給できれば生活が大分楽になります。
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