年金を受給している人は、数年ごとにそのときどきの障害の状態が記入された診断書を提出しなければなりません。
これは、年金の受給者が生存していることを確認したり、障害の程度を確認するために必要な手続きで、年金を引き続き受け取るためには当該届出を行わなければなりません。
これらの届出をきちんと行わないと支給を差し止められたり、等級が下がったりしますので、注意が必要です。
認定更新の現状
「前回と同様の診断書を提出したのに等級が下がった」
その様なご相談が皆様が想像されている以上に寄せられています。
精神の障害は検査結果で病状の重さが判断できません。その判断は「日常生活能力の程度」とされていますが、実際にはかなり機能レベル(症状の重さ等)に近いところで判定されています。
また、そもそも永久認定を前提としない(数年以内に必ず寛解に至るとされる)精神の障害の場合、一定期間支給された後に、その支給が停止されてしまうことがよくあります。
すなわち、精神の障害は、治療すれば必ず寛解する病気と言われているため、病気の特性上、一度認定されれば永久に受給できるというものではなく、1〜2年の受給で支給されなくなってしまうということも十分に考えられるため、更新時の診断書提出は、医師や専門家のサポートを受けながら慎重に行いましょう。
納得できない!障害認定更新で不支給となった事例
Sさんは、これまで統合失調症により2級の障害厚生年金および障害基礎年金を受給されてきました。現在も2週間に1回は通院しながら治療を続けておられます。半年ほど前から、社会復帰のためにリワークに参加をするようになりました。そもそもリワークを開始した理由は、ご両親が将来、本人が社会に復帰したときのことを思ってのことでした。
普段の生活では、まだまだ色んな場面で家族の見守りが必要な状態の中、本人も幾度となく「何の制限もない普通の生活」を想像されたと思います。本人を見守るご両親やご兄弟も、まわりからは決して想像できない想いをされてきたのだと思います。
辛い闘病生活を支えながらも、少しずつ、ほんの少しずつでも出来る事を増やしていこうということでリワークをはじめたのですが、まだまだ自分自身では通うことも積極的に他者とコミュニケーションをとることもできない状態でした。
リワークに参加しはじめて数ヶ月経ったころ、年金機構から障害状態の確認のために診断書を提出してくれとの通知が届きました。障害年金を引き続き受給する為には、診断書を書いてもらい提出しなければなりません。本人、ご家族、そして医師も「まだまだ社会に復帰できるような状態ではない」と意見が一致。医師が「まだ」と言っているので当然、障害年金も引き続き受給できるだろうと本人およびご家族の方も考えておられたそうです。
しかし、認定官の決定は非情なものでした。「リワークに参加できるほど、意欲があるならば、「気分・意欲・行動の障害」は比較的軽度であり、当該請求人の障害状態は障害等級に該当するほどの障害状態とはいえない」との決定がでたのです。
リワークは決して「就労」ではありませんし、社会復帰に向けての訓練です。まだまだ稼得能力もなければ、働ける職場をみつけたわけでもありません。むしろ、まだまだご病気のために日常生活に様々な制限が生じているような状態でした。
このように、障害認定は決して皆さんが思っておられるほど簡単なものではありませんし、診断書の提出のみで判断される「形式的審査」では皆さんの心情は勿論、普段の生活も何も見えないのです。
障害認定更新時サポートの内容
① 前回提出の診断書などの取り寄せ
前回提出した診断書が必要となる場合、当事務所にて前回提出した診断書などの資料を取り寄せます。
② 診断書のチェック
医師により作成された診断書のチェックをさせていただきます。ご相談いただく場合は、前回提出された診断書(出来れば)と新たに書いてもらった診断書の両方をご準備ください。
また、必要に応じて、医師に診断書を作成していただく際の参考資料の作成も致します。(別途料金)
③ 診断書の提出代行
年金機構への書類提出を代わって行います。
- 1日も早く請求したい…
- 過去に遡って受給したい…
- 申立書の書き方が分からない…
- 自分の病名で通るか不安だ…
等、どのようなお悩みでも結構です。あなたからのお問い合わせをお待ちしております。
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