最終更新日: 2014年9月15日

躁症状のスペクトラム

 

双極性障害を特徴づける躁症状。DSMでは7つの症状を基準にしていますが同じ症状でも、Ⅰ型(躁)とⅡ型(軽躁)では「重い・軽い」の違いがあります。

 

 

躁状態かどうかを判定する基準の7症状

躁状態を判定するため、DSMでは7つの症状をあげて基準にしています。
 

自尊心の誇大

自分が偉いと思いあがる、あるいは誇大妄想。この症状は、軽度の場合は自信につながり、仕事や学業で成果をあげたり、考えていた計画がうまく運んだり、パワーアップした様子が人を引き付ける魅力になることもあります。症状が重度になってくると、自分は誰よリも優れていてえらく、他の人はみな無能だと信じ込むようになります。その尊大な態度が周囲の人を不快にさせ、人間関係が崩れたり、職を失うようになることもあります。

 

本人にとっては「うぬぼれ」より「自信」という言葉の方が実感に近いので、うつ状態になると本人は自信を失い、非常につらい気持ちを抱えてしまいます。

 

 

睡眠欲求の減少

重度の躁の人は、「眠りたいと思わない」「眠らなくても平気」と感じています。眠る事への欲求が少なく、1日3時間程度の睡眠でも平気だったり、一晩中眠らずに動き回るといった状態になります。

 

眠りにつくのがむずかしいパターン

頭の中が考えでいっぱいになり、考えを切り替えられない為眠れません。

 

眠り続けるのが難しいパターン

3~4時間で起きてしまい、その後は「目が覚めているような眠り」をくり返します。

 

 

多弁

普段よりおしゃべりになる、あるいは、しゃべり続けなければいけない気になる。躁状態にある人の頭の中では、かなりのスピードで思考が駆け巡っていて、本人は、自分が考えていることのすべてを説明し続けなければならないという衝動にかられます。聞く側は、言葉の嵐を浴びているような状態になり、話をさえぎるのも難しくなります。また、思考が速過ぎると、言っている内容も理解しづらくなります。

 

 

観念奔逸

思考が不安定、または自分の頭が急速に回って、いくつもの考えがせめぎ合っていると感じる。すなわち、頭の中でスイッチが入ったようになり、急速に回転して、考えが次々に浮かぶ状態です。

 

軽度

陽気な気分になり、アイデアが次々と浮かんで創造力が高まります。生産性が上がり、仕事がどんどんはかどるように思えます。

 

中程度

頭の中で次々と考えが回っていって、ばらばらになり、出発点が何だったか分からなくなります。中には優れた考えもありますが、しだいに不安が混ざり、悪い方へと考えてしまうこともあります。

 

重度

アイデアは浮かびますが、無関係につなげてしまい、創造力は崩壊します。考えが飛んでしまい、さらに進むと自分でも何を言っているのか分からないほど錯乱することもあります。また、重度の人は、読書をしていても内容が頭に入らないため、同じページを繰り返し読み続けるといったことが起こります。

 

 

注意散漫

ささいな、または関係のない外的刺激に気を取られる。たとえば、多くの計画を一度にやってしまおうと手をつけるも、気が付くとやっていることが次々と変わり、一つも成し遂げられないようなことが起こります。

 

躁が中程度になると、気持ちが勝手にどこかへ飛んでしまって、白昼夢のような状態になる事もあります。

 

 

活動の増加

社会的な場でも私生活でも、活発に行動する。精神的に憑りつかれたようになる。軽度の躁状態では、活動レベルが高くなると活き活きとして非常に魅力的にみえますが、重度になると、医師の受診を待っている間も、そわそわとして膝を上下に動かし、いまにもドアから飛び出していきそうな状態になる場合もある様です。

 

客観的には、電話の回数や財布の中身で躁状態を知ることができると言われています。

 

 

痛ましい結果

快楽行動に没頭してしまう。例えば、抑制のきかない金遣い、無分別な性行動、あり得ない話への投資など。

 

浪費

必要のない物を次々とカウなどして、軽躁では万単位、重度の躁状態では10万単位で、お金を湯水のように浪費することがあります。自己破産に至ることもあります。

 

無謀な投資

あり得ない儲け話に投資したり、気が大きくなって株相場にのめりこんだりします。何百万~何千万円の借金を負って、経済的に破綻するケースもあります。

 

危険行為

車のスピード運転、ふだんはしないような路上での無茶なパフォーマンスなど、危険を顧みない命知らずの行動をすることがあります。

 

違法な行為

ことの善悪が分からなくなり、会社のお金を使いこむなど、衝動的に違法な行為に走ることがあります。

 

物質の乱用

薬やドラッグを乱用したり、アルコール依存症になることもあります。

 

逸脱した性行動

性欲が亢進し、多くの異なった人と次々に関係を持ったりして性的に逸脱した行動をとることがあります。

 

 

躁症状・軽度から重度までの違い

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A(症状なし) B(軽度) C(中程度) D(重度)
誇大妄想 自分の視点に変化はない 自分の成果、能力、可能性に満足している 自分が「中心人物」でカリスマ的存在だと思う ゆるぎない自信が、他人の気分を害する
睡眠 変化なし(7~8時間眠れる) 5~6時間。または毎夜1~2時間は目が覚めている 4時間で十分。または夜中にたびたび目が覚める。 2時間眠れば十分。一晩中起きててときどき眠る
多弁 他の人と違いはない 話好きで、どんな話題でもよくしゃべる マシンガンのように、立て続けにしゃべる。ゆっくり話したり、しゃべるのをやめることが難しい しゃべりを周囲はさえぎることができないその内容を周囲は理解できない
急速な思考 異常はない 創造的なもの、ネガティブなもの、良くも悪くも多くの考えが浮かぶ 非常に優れていたり、あるいは的外れに関連付けたり、試行が素早く絶え間なくつづく 思考が次から次へと飛躍し、崩壊していく
注意力散漫 普通の注意が払える 注意が持続できず、落ち着かない 気持ちが飛んでしまい、「注意欠陥/多動性障害(ADHD)」のような状態に 注意を向ける商店が定まらず、ほとんど何もできない
活動レベルの増加 他の人と同じ、通常レベル 多くの計画や考えを次々にこなす さらにペースが早く、行動範囲も広くなる。衝動的になる 衝動が激しすぎて、かえって何も手につかずぼーっとした状態になることもある
痛ましい結果を招く 他の人の様に制御可能 残念な選択もするが、取り返しがつかないほどではない 金遣いが荒くなる、性欲がまし、軽い危険が伴う 金遣いがさらに荒くなる。分別のない性行動、薬物乱用、違法行為など

 

Aは、まだ「躁症状のない」単極性の段階。それがBになると「軽度の躁」、C点では「中程度の躁」、そしてD点では「重度の躁」になります。

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